リスクと機会を知っていれば、事前の準備を行い、転びません
「転ばぬ先の杖(つえ)」と言うと、「保険」を持つという言葉を思い浮かべます。
万一のために準備するという意味なので、「保険」も一つの「転ばぬ先の杖」です。
個人的には「保険」に入るなど「転ばぬ先の杖」を準備しますが、
会社の業務では「転ばぬ先の杖」は何を準備するのか、わからない。
もしくは準備をしません。
特に、法人営業の営業マンは、「杖」より、目の前の売上を上げる事に必死になっています。
法人営業の「転ばぬ先の杖」が必要な理由を知り、会社の業務で「転ばぬ先の杖」を持ちます。
転ばぬ先の杖とは
万が一に備える準備をしておくという意味です。
転ぶ事を予測して、あらかじめ杖を持っていれば、
転ばにくいため、ケガをしないという例えです。
法人営業の「転ばぬ先の杖」とは?
営業は、毎月売上数字を会社から、管理されています。
毎月の目標額に毎回達していればいいのですが、
売上が目標額を下回る苦しい月もあります。
その時に不足している売上をカバーできる、別の商品や・いつでも買ってくれる顧客等を持っていれば、売上を順調に目標通りに上げる事ができます。
この不足をいつでもカバーできる事が「営業の転ばぬ先の杖」です。
杖を持つ理由とは
営業成績が良い人や、業界が好調で右肩上がりで売上上がっている人こそ、「転ばぬ先の杖」を持つことが必要です。
その理由は
外部環境をコントロール出来ないから!
よく坂に例えられる通り、上り坂、下り坂、まさかです。
代表的な事例はリーマンショックです。
リーマン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(Lehman Brothers Holdings Inc.)が経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的によぶ。
引用:WIKIPEDIA リーマンショック
このまさかが、会社でも、社員がいくら努力していても、起こります。
法人営業は、今年好調でも、来年も・再来年も・十年後も売上が好調である必要があります。
しかし、外部環境の影響により、景気が減速したり、自社の商品力が弱くなる・商品がいらなくなる事があります。
自社でコントロール出来ない3つの事があります。
次の3つの事は自社ではコントロール出来ません。
① 世界的な影響
前述のリーマンショックの例の通り、世界経済が大きく変化すると、自分の仕事に影響があります。
昔は、アメリカが風邪を引けば、日本が風邪をひくと言われましたが、
今では、世界のある地域が風邪を引けば、日本、住んでいる地域、自社の仕事まで風邪をひきます。
② 競合会社の新商品
競合会社が自社の商品の機能や価格で、自社と大きな価値の差がある商品をリリースする
③ 自社商品の需要がなくなる
自社の商品の需要がなくなる場合があります。
特に法人営業では、販売している商品の工法自体が他の工法にかわれば、自社の商品は売れません。
例えば、ボールペンを売っている場合:
全ての書く行為が電子化になれば、ボールペンは要りませんので、ボールペンの需要はなくなります。

どんな杖を持てば良いか
では、どのような杖で「まさか」に対応するためには、杖がいついるかを知る事が大事です。
それは、「リスクと機会」を知る事です。
法人営業では、必ず、リスクと機会が同時にあります。
これは、何かに挑戦する時は売上が上がるチャンスがありますが、同時に、リスクも存在しています。
① 世界的な影響への「リスクと機会」
リーマンショックの様な世界的な景気変動は順番があります。
法人営業でも、景気の変動を知る事ができます。
【リスク:景気が悪くなる業界の順番】
・装置や機器の製造販売
・材料の製造販売
*リーマンショックでは、リーマンショックの約数ケ月前に、
ある機器の単月の売上が過去最高、受注が過去最低と極端な例もありました。
・電子部品関連
・半導体関連
・物流、インフラ関係
・サービス関連
になります。
機会: 景気が良くなる順番は上記の逆になります。
自社の業界だけではなく、自社の工程の前後の業界の売上状況を聞くことによって、景気変動を知る事が出来ます。
② 競合会社の新商品に対する「リスクと機会」
競合会社が自社を上回る商品をリリースする事は脅威に感じますが、リスクと機会を知れば対応ができます。
【リスク】
【機会】
成長する業界では、シェアを奪われてもパイ(需要)が広がれば、自社の売上が伸びます。
・新たな技術を見れば、自社の技術も真似をしなくても、競合を上回る技術開発が出来る
可能性があります。技術は一つではないからです。
・競争を行えば、業界が伸びるだけではなく、法人営業マンも売るための対応策を考え、
人材育成が出来ます。売れなくなればなるほど、人は売るための策を考えます。
③ 自社の商品の需要がなくなる「リスクと機会」
【リスク】
・需要がなくなれば、売上はなくなり、会社が倒産する危機になるかもしれません。
【機会】
・自社の商品を違う業界や、違う顧客に販売を試みます。
例えば、液晶は電子計算機から始まり、テレビで大きな販売を得ましたが、一旦、落ち込み、今ではスマホで売上が上がっています。
これからは、有機ELに変わるかもしれませんが、液晶はコストが安いため、新たなディスプレイの分野が開発されます。
・自社の主要な商品が代わります。その商品が新たな大きな需要を産み出します。
・この需要がなくなる経験をすると、会社は変化に強い組織に変わります。
もしくは、外資系に買収されるかもしれません。この買収は心配はありますが、会社の環境が良くなる場合もありますよ。
この3つの「リスクと機会」を知り、リスクと機会の両方に何の杖がいいのか、日々考えれば、すべてを打開できます。
まとめ

・特許を取得されて、コアな技術を真似出来ません。
・新商品により、顧客を奪われ、他の自社商品までシェアを奪われる可能性もあります。